草野厚
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草野厚(くさの あつし、1947年6月10日 -)は、慶應義塾大学総合政策学部教授、同大学院政策・メディア研究科委員。専門は、政策過程論、国際関係論、国際協力政策論(ODA)。2000年にはドキュメンタリー番組を格付けするNPO団体、メディア検証機構を設立し自ら理事長を務める。サンデープロジェクトのコメンテーターを勤めるなどによってお茶の間にもよく知られている。小泉政権時にはその政策の大半を支持する姿勢から時に御用学者と揶揄され、金子勝(慶応大学教授)や植草一秀(元早稲田大学教授)らとは論戦を展開している。
また学生時代から音楽マニアで、最近ではパイプオルガンに関心がある。自宅に小型のパイプオルガンを設置してしまうほどで、著書『癒しの楽器パイプオルガンと政治』(2003年)はそんな草野の、オルガンを巡る矛盾に対する私憤が執筆のきっかけになったものであり、東京藝術大学教授鈴木雅明をはじめとするオルガン関係者を名指しで厳しく批判している。
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[編集] 略歴
- 1947年 東京都に生まれる
- 1971年 慶應義塾大学法学部法律学科卒業、松下電器貿易入社。
- 1977年 上智大学大学院外国語学研究科修士課程(国際関係論専攻)修了
- 1982年 東京大学大学院社会学研究科博士課程(国際関係論専攻)修了、博士(社会学)。
- 著書『日米オレンジ交渉』(1983年)は自身の博士論文に加筆して出版したもの。
- 1983年 国際大学助手
- 1985年 プリンストン大学国際問題研究所客員研究員(-1987年)
- 1987年 東京工業大学助教授
- 1992年 慶應義塾大学総合政策学部教授
- 2000年 メディア検証機構理事長
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『日米オレンジ交渉――経済摩擦をみる新しい視点』(日本経済新聞社, 1983年)
- 『日米・摩擦の構造――戦いながら共存するための知恵をオレンジ・自動車戦争に探る』(PHP研究所, 1984年)
- 『昭和40年5月28日――山一事件と日銀特融』(日本経済新聞社, 1986年/「証券恐慌」に改題, 講談社[講談社文庫], 1989年)
- 『国鉄改革――政策決定ゲームの主役たち』(中央公論社[中公新書], 1989年/「国鉄解体」に改題, 講談社[講談社文庫], 1997年)
- 『アメリカ議会と日米関係』(中央公論社, 1991年)
- 『大店法経済規制の構造――行政指導の功罪を問う』(日本経済新聞社, 1992年)
- 『ODA(政府開発援助)1兆2000億円のゆくえ――日本の国際貢献のあり方を問う』(東洋経済新報社, 1993年)
- 『日本の論争:既得権益の功罪――メディア・ODA・規制緩和・消費者運動・審議会・情報公開・官僚機構』(東洋経済新報社, 1995年)
- 『ODAの正しい見方』(筑摩書房[ちくま新書], 1997年)
- 『政策過程分析入門』(東京大学出版会, 1997年)
- 『山一証券破綻と危機管理――1965年と1997年』(朝日新聞社, 1998年)
- 『連立政権――日本の政治1993-』(文藝春秋[文春新書], 1999年)
- 『日米安保とは何か――その成立から新ガイドラインまで』(PHP研究所, 1999年)
- 『考える力を養う情報収集法――分析力・判断力がアップする10章』(太陽企画出版, 1999年)
- 『わかる現代政治学ゼミ 公務員試験――現実の政治から理論を学ぶ新しい演習書』(実務教育出版, 2000年)
- 『テレビ報道の正しい見方』(PHP研究所[PHP新書], 2000年)
- 『官僚組織の病理学』(筑摩書房[ちくま新書], 2001年)
- 『癒しの楽器パイプオルガンと政治』(文藝春秋[文春新書], 2003年)
- 『歴代首相の経済政策全データ』(角川書店[角川oneテーマ21], 2005年)
- 『テレビは政治を動かすか』(NTT出版, 2006年)
[編集] 共著
- (宍戸善一)『国際合弁――トヨタ・GMジョイントベンチャーの軌跡』(有斐閣, 1988年)
- (戸部良一・五味俊樹・井上勇一・波多野澄雄)『昭和史 ― その遺産と負債』(朝日出版社, 1989年)
- (渡辺利夫)『日本のODAをどうするか』(日本放送出版協会, 1991年)
[編集] 共編著
[編集] 訳書
- マイケル・ヨンツ『日本が独立した日』(講談社, 1984年)
- T・R・リード『誰も知らないアメリカ議会――大統領・議員・利益団体』(東洋経済新報社, 1987年)