ぜんまいざむらい
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『ぜんまいざむらい』は子ども向けのテレビアニメ、漫画である。原案はNHK教育テレビのでこぼこフレンズを担当したm&k(丸山もも子と鍬本良太郎)。キャラクターデザインも同番組を担当した絵本作家の秋穂範子。テレビアニメは一話5分のミニ番組として、同局で2006年4月3日から放送されている。また、挿絵は、「小学一年生」、漫画は雑誌「小学二年生」、「コロコロイチバン」(いずれも小学館)で連載されている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
時は西暦2015年。舞台は、明治時代が始まらず江戸時代が続き、からくり仕掛けが発達した町「からくり大江戸」。そこで善行を積む男の物語である。200年前泥棒であった彼は大福の神の力によって蘇ったのだ。頭にぜんまいハンドルと、悪人を改心させる「必笑だんご剣」を与えられ、ぜんまいざむらいとして復活した彼は、ぜんまいばねがほどけ切ってしまうと再び死ぬが、善いことをするとばねが巻かれてしばらくの猶予を得る。大福の神の「108のいいことをすると人間に戻れる」との言葉に従い、ぜんまいざむらいは今日も善行を積むのであった。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- ぜんまいざむらい(声優:ゆきじ)
- 主人公。200年前は善之助という名の泥棒だった。団子が大好きであり、特に三色団子の白い部分が好き。一日にたくさん団子を食べているため、ぽっちゃり体型。頭の上にチョンマゲの代わりにぜんまいのハンドルをつけ、腰に団子を連ねた「必笑だんご剣」をさし、いつも相棒の豆丸といる。一人称は「おいら」。ぜんまいばねがほどけていくと気分が悪くなり、最後には死んでしまうため、生きるために善行を積む。しかし根は善人なので悪事を許せず、病人を助けるために自己犠牲の精神を発揮することもある。現在は「だんごやいっぷく」に居候中。
- 必殺技は腰の「必笑だんご剣」を振り、先についた団子を食べさせ悪人を改心させるものである。必笑だんごの大きさは大人の男性がほおばってしまうくらいの大きさ。団子を食べた人はそのおいしさで幸せな気持ちになり、自分のしたことを反省して改心する。また、元気がない人、くじけそうな人に食べさせると、元気が出る効果も確認されている。(なお、剣の団子を使い切った際には、一旦鞘に剣を収めると団子が補充されるようである)。
- 豆丸(声優:川崎恵理子)
- 小さな見習いの忍者。ぜんまいざむらいの相棒。着地が下手で、手裏剣もまだまだ練習中である。いつも覆面で口を隠しており、食べる時のみ口が見える。頭の上にあるポンポン状のものには綱がついていて、天井から降りるときなどにポンポンを伸び縮みさせて使う。一人称は「拙者」。おねしょ癖がある。ぜんまいざむらいの頭のぜんまいを触っても怒られない。ぜんまいざむらいの事を「ぜんまい殿」と呼ぶ。語尾に「~でござる」を付ける。今は小さいが、いつかは背が高くなりたいと願っている。
- ずきんちゃん(声優:那須めぐみ)
- 心優しく可愛らしい女の子。ぜんまいざむらいとなめざえもんの両方から好かれているが、本人はぜんまいざむらいの方が好き。犬の「ぼたん」を飼っており、本人のみ可愛がっている。頭巾でアフロヘアーの髪形を隠している。ちなみに、赤ちゃんの時は頭巾をしていなかった。本作のヒロイン。
- だんごやおばば(声優:野沢雅子)
- 団子屋「だんごやいっぷく」のおばば。髪型は団子に似ている。ぜんまいざむらいのことを「ぜんちゃん」と呼び、気に入っていて居候させているが、豆丸のおねしょ癖には厳しい。たまに悩殺ポーズを披露して、ぜんまいざむらいと豆丸に気持ち悪がられている。本人が作る3色団子は自慢の味。
- なめざえもん(声優:陶山章央)
- 細長いチョンマゲをした侍。ずきんちゃんのことが大好き。ぜんまいざむらいのライバルであり、二人はよく喧嘩しているが、ぜんまいざむらいが意識を失ったり、死にそうになったら悲しいらしい。実は、背中とはかまにイニシャルが入っているらしい。靴はかかとが高い物である。ぜんまいざむらいの必笑だんごを食べさせられた回数が一番多い。自分のチョンマゲがお気に入りのナルシスト。金持ちで小判を連ねた刀を常にさしている。お金で買えないものはないと思っている。一人称は「あちき」、語尾に「でやんす」を付ける。笑い声は「ニャホホ」。
- 茶じじ(声優:加藤精三)
- ずきんちゃんのおじいさん。頭に被っているベレー帽は外国人からもらったらしい。のんびりとした気質で、ぜんまいざむらいの師匠的存在であるが、彼のことを「ぜんざいざむらい」などと呼ぶ。「まっちゃ」という名の猫を飼っている。若い頃は剣術の大会で何度も優勝している剣の達人だった。
- かみちよねーさん(声優:神代知衣)
- 姉御肌で、特に男性が憧れる美しい女性。金魚のきんさんを飼っている。一ヶ月に二回、寺子屋で、千代紙教室を開いている。千代紙が得意。着物の帯は、鶴の形に結んである。占い箱で占いをしていることも。
- 謎の天蓋男(声優:近藤隆)
- 大福の神の使者。虚無僧スタイルで大きな天蓋(編笠)を被っている。ぜんまいざむらいを影から監視していて、善行を確認すると巻物に「ぜんまいざむらい 今日も善を施したり」と書く。たまに巻物に違うことを書いたりする。登場して記録をつけた途端に災難に遭うことがあり、これが物語のオチになっていることが多い。1度、巻物に善行記録ではなく石狩鍋のレシピを書いたことがある。意外とミーハーなところがある。時たま、猫や犬の気持ちを視聴者に分かってもらうために「突然ですがここからは人間語でお送りいたします」とコメントをはさむ事がある。
[編集] サブキャラクター
- 大福の神(声優:滝口順平)
- ぜんまいざむらいにぜんまいと必笑だんご剣を与えた神様。大きな福耳とたくさんの歯を持った風貌で、雲に乗って、ラップ調で話す。ぜんまいざむらいからは、「大福大ちゃん」と呼ばれている。だんごやいっぷくの裏庭にある井戸に住んでいる。
- 町人ピエール(声優:金丸淳一)
- 西洋寺子屋で英語を教えている金髪碧眼のポルトガル人。町娘からはモテモテである。アクセントのおかしい日本語を喋るが、早口言葉は得意。語尾は「でごんす」。勉強と寿司が好き。
- あくとり代官(声優:大林隆介)
- 鍋料理屋「あくとり亭」の主人にして鍋奉行。一見腹黒そうに見えるが、実は悪をなくしたいと願っていて、町行く人に鍋を食べさせるかわりに無理矢理人生相談をさせる(悩みがないというとなぜか怒る)。かなり話が長い。悪(灰汁)をなくしたいと願う代官?であるため、「あくとり代官」という名前らしい。きれいな鍋料理を食べて人の心の中の悪をなくすために「あくとり亭」を建てた。10年前、美味しい鍋料理を求め、九州の南までたどり着いた経験がある。
- ぼたん(声優:藤屋裕子)
- ずきんちゃんの飼っている犬。顔は不細工だが、ずきんちゃんは可愛がっている。生まれてすぐに生き別れになった双子の妹がいる。
- まっちゃ(声優:神代知衣)
- 茶じじが飼っている猫。「にゃいにゃい」と鳴く。目がとても細く、寝ているか起きているか傍目にはわからない。人語は喋らないが話していることを理解しているようである。模様は、抹茶の色と、白である。性別不詳、であったがメストラに恋をしていたのでオス猫と判明。
[編集] 不定期登場のキャラクター
- 猫屋のおせん(声優:高田由美)
- 「ねこじるしせんべい」を売る「猫屋」の女主人。猫耳をつけた美しい女性であるが、正体は悪人で、夜中に近所の猫を集めて工場で煎餅を無理矢理作らせていた。ぜんまいざむらいに改心させられてからは普通の生活をおくっているようである。語尾に「にゃ」を付ける。第18話「ねこせんべい工場の秘密」に初登場。
- 飛脚の飛び助(声優:逢坂力)
- 郵便屋さん。慌てん坊である。ぜんまいざむらいの事を「ぜんのじ」のように、人の名前の最後に「じ」を付ける。
- 十万屋万之助(声優:増岡太郎)・十万屋十兵街(声優:松林大樹)
- 関西弁を話す商人の兄弟。しばしばからくり大江戸に現れては住人をだまして、にせ商品を売りつけようとする。二人とも顔がなんとなくアザラシに似ている。
- 見栄城の殿様(声優:梅津秀行)
- ちょんまげがとても長いが背丈は子供くらいしかなく、声がとても高い。いつも家老がそばにいる。おなかを壊しやすく、家宝の腹巻がないと寝られないらしい。
- 瓦バンバン
- 3人組のチンドン屋風の瓦版売り。何かニュースがあると「ババンババババかわらバーン」と歌いながら瓦版を売り歩く。しかし内容はガセネタが多い。金丸淳一、近藤隆、陶山章夫の3人が声を担当。ちなみに瓦バンバンの歌は金丸の即興で出来たものがそのまま使われた。
- 先生(声優:梅津秀行)
- 豆丸の先生。からくり長屋でそろばん塾を経営している。温厚でとてもマイペースな性格。近くに進学専門の寺子屋が出来たため、塾はいつもがらがらだが、本人は気にしていない様子。
[編集] からくり大江戸
からくり仕掛けが非常に発達している来の江戸の街。スターバックスに似たコーヒー屋もある。オープニングの際に一望することができる。
- だんごやいっぷく
- おばばが経営する団子屋。客は少ないが、期間限定の団子を販売するなどして売り上げを伸ばそうと頑張っている。屋根裏に、ぜんまいざむらいと豆丸が住んでいる。おばばが、客が帰る時は、「また来てね。」と悩殺ポーズをする。団子のような形をした看板がある。
- やぐら寿司(やぐらずし)
- 寿司屋。屋根の上の風車の回転で、客が回ったり、階段が動いたりする。寿司ではなく客が回る。
- 見栄城(みえじょう)
- からくり大江戸にある城。板に描かれた城で、本物の小さい城を隠している。
- 西洋寺子屋(せいようてらこや)
- ヨーロッパ調の寺子屋。
- 段々道場(だんだんどうじょう)
- スポーツの特訓ができる道場。
- 三日月川・三日月橋(みかづきがわ・みかづきばし)
- からくり大江戸では有数のデートスポット。夜になるとカップル達でいっぱいになる。
- あくとり亭(あくとりてい)
- 人生相談ができる鍋料理屋。主人はあくとり代官である。臨時休業もある。
- 髪結床
- からくり大江戸にある髪結床。ちなみに、ぜんまいざむらいはゼンマイばねをしているため、チョンマゲにする事は不可能。
[編集] ぜんまいざむらいがからくり大江戸に来るまで
ぜんまいざむらいが、現在住んでいるからくり大江戸に来るまではこのようなエピソードがあった。
ある日、泥棒だった善之助(ぜんまいざむらい)が夜中に、こっそり団子屋に忍び込み、数個の団子を盗み食いした。オレンジ色の団子を食べる時、ネズミが現れ、団子と間違えてネズミの鼻をつまんでしまった。それに気がついた善之助はビックリして団子屋を飛び出し、井戸の底に転落して死んでしまった。その後、大福の神と呼ばれる神が現れた。大福の神は、善之助に、「心を入れ替えるなら、生き返らせてやろう。」と言い、必笑だんご剣を渡し、頭にゼンマイを付けた。108つの善を施したら生き返る事ができる。大福の神は、からくり大江戸に案内して、そこからぜんまいざむらいの善を施す生活が始まる。
[編集] テレビアニメ サブタイトル
- ぜんまいざむらい誕生
- やぐら寿司の決闘
- 百八匹ワンコの謎
- 髪結床はおおさわぎ
- ぱぴぷぺワンダホー
- 割り込みゆるさじ
- フンふんフン
- 見栄城のひみつ
- 瓦バンバン噂はこわい
- ケンカはいかん!
- あくとり代官の人生相談
- 三日月池のミカちゃん
- バブルンパニック
- あこがれの かみちよねーさん
- 出た!辻だじゃれ
- 火消しの八五郎
- 大流行 占い箱
- ねこせんべい工場の秘密
- 段々道場やぶり
- うばわれただんご剣
- からくり長屋はおおさわぎ
- なめざえもんの花さくせん
- ショーグンザル
- 押入れからこんにちは
- 紅白歌じまん合戦
- 三日月池のうわさ
- おねしょをかくせ
- 勝負!泣きぬれせんべい剣
- どろぼう猫の虎次郎
- 大関おけつ山
続く
[編集] スタッフ
- 原案:m&k(丸山もも子と鍬本良太郎)
- 監督:やすみ哲夫
- チーフ演出:野中かずみ
- キャラクターデザイン:秋穂範子
- 音楽:三宅純、SUN.SALT&TIME
- アニメーション制作:A-1 Pictures、ノーサイド
- 製作:アニプレックス、小学館
[編集] 放送形態・時間
放送時間は毎週月曜~金曜日の午前7時50分~7時55分、午後5時40分~45分である。午後の放送は午前の放送の再放送。不定期に再放送がある。数話まとめて再放送する時のタイトルは「ぜんまいざむらいざんまい」。
[編集] 主題歌
[編集] オープニングテーマ
- 『ぜんまいざむらいのうた』
- 作詞:m&k 作曲・編曲:三宅純 歌:CHAKA
エンディングテーマはなく、障子が閉まるアニメーションが出た後「ぜんまいざむらいのうた」の間奏部分を背景に、声の出演やスタッフがテロップで表示される。このとき障子の色が、月曜日の放送が青なら、火曜日はオレンジ、水曜日は青という風に日替わりで変わる。ただし2006年9月11日放送のみ、番組内容に合わせてカラフルな障子となった。
[編集] 参考資料
- m&k 『ぜんまいざむらいだいじてん テレビ超ひゃっか』 小学館、2006年、ISBN 409750861X
[編集] 外部リンク
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