噴水
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噴水(ふんすい)とは、池や湖などに設けられる水を噴出する装置、またはその水そのもの。庭園や公園、特に西洋式の庭園の装飾的設備として設けられることが多い。
字義通りならば水を噴出するものということであるが、日本語における噴水は上方への噴出という意味合いが強い。英語におけるfountainは公園などの水飲み場の蛇口を含め(人工的な)泉の意味も含み噴出方向も必ずしも上方でなくでもよいようである。その意味ではブリュッセルの小便小僧やシンガポールのマーライオンも噴水である。いずれの場合でも人工的なものを指すようであり、自然の間欠泉や滝などは含まない。
しくみとしては伝統的なものでは落差を利用し水を噴き上げていたが現代ではモーターなどの動力とポンプによるものが多い。単純に上方に水を噴き上げるだけのものから水の強さを変えられるもの、ノズルが可動式になっており様々な形状を作れるものなど複雑なものもある。そういったものはライトアップされたり、音楽に合わせて動きを演出するようになっていることも多い。
著名な噴水としてはスイスジュネーヴの「ジェドー」が高さ140mに達するものとして知られる。シカゴのグラントパークに位置するバッキンガム噴水は高さ40mに達するが、これは全米でもっとも美しい噴水と呼ばれている。またロシアのサンクト=ペテルブルグのピョートルの宮殿は150もの噴水があることで知られる。日本では琵琶湖に大規模な「びわこ花噴水」(大津市)がある。
広義には前述の小便小僧やローマのトレヴィの泉などがある。 西ヨーロッパではバロック期に幾何学庭園の隆盛と平行して噴水が庭園を構成する主要な要素として盛んに設けられた。またいくつかの街では市内の飾りとして彫刻を付した噴水が設けられた。このような噴水には公共彫刻としての役割が大きく、ローマのトレヴィの泉は有名である。噴水に好んで用いられるモチーフにはギリシア神話の海神やニンフを模したもののほか、各大陸の河をさまざまな民族衣装をまとった擬人像で表すいわゆる「四大陸の泉」がある。
動力を使わない噴水としてヘロンの噴水というものがある。古代ギリシアのヘロンという学者が考えたものであるが、原理が簡単で自作も可能なので現代において理科教育用として使われることがある。
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