志村けんのバカ殿様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
志村けんのバカ殿様(しむらけんのばかとのさま)はフジテレビ系列で放送されているバラエティ番組である。単発の特別番組として年4回放送される。通称「バカ殿」。元々はTBS系の番組「8時だョ!全員集合」のコントの1つであった。本稿では特に断り書きの無い限りフジテレビ系列の独立した番組のことを記述する。志村藩の殿であるバカ殿を中心に、城内・城下で起こるさまざまな出来事を一連のコントとして番組化している。
目次 |
[編集] 番組の歴史
- 元々は1977年、「8時だョ!全員集合」(TBS系)中に放映されたコントが初めであり、1980年に「ドリフ大爆笑」(フジテレビ系)でもコントを行った。1986年に「月曜ドラマランド」枠で初めて独立した番組となった。レギュラーバラエティー版は1992年1月2日から。
- 1985年「8時だョ!全員集合」にて、バカ殿がファミコンソフト「ハイパーオリンピック」の特別バージョン(選手の一方がバカ殿になっている。オリジナルは白人選手)を興じるコントがあり、これがきっかけでこの特別バージョンも市販されることになった(ちなみに、このコントのオチは「3回目を遊ぼうとする→いかりや長介の怒り顔が登場→それがゴリラの吼える映像に変化」というもの)。
- 2005年頃から字幕放送で放送されるようになった。
- なお、番組とは別に2006年4月に旗揚げ公演「志村魂(しむらこん)」を行う志村けん一座で舞台でも取り上げられる。爺役は地井武男が務める。
[編集] 番組内のコント・ネタなど
- 時々、家老に内緒で家来と城下町に下りていくが、その城下町が現在の都会の場合がある。
- バカ殿はうれしくなると「うれしいなぁ」と叫び音楽とともに妙な踊りを踊る。
- 「バカ殿に謁見に来る」という設定でさまざまなゲストが来る。
- さらに謁見に来たゲストが「仕官したい」と言うと、爺や側用人(ダチョウ倶楽部)とゲームを行う。内容はバカ殿が3種類の珍味(赤マムシや塩辛、納豆など)をミキサーでかき混ぜたドリンクを出し、中身を当てるというもの。
- ゲストが女性の場合、「お土産」をめぐり腰元と対決する(内容は男性と同じ)。
- バカ殿が家老をおちょくり、怒った家老と城内で追いかけっこをする。お互いに様々な仕掛けやイタズラを行う。
- ドリフ大爆笑時代(特に1980年代前半)は、よく由紀さおりが腰元として出演していた。バカ殿が周囲の若い腰元に「年はいくつじゃ?」と聞き、その若さに満足した後、どう見ても年増の由紀に年齢を聞くと「18歳でございます」など強烈なサバ読みで返され、バカ殿がキレるというパターンが定番であった。
- 爺に「バカ」を連呼されると尺八の音がし、奇妙な表情をして扇子を落とし、背後に置いてある刀を抜いて斬りかかろうとする(元ネタは座頭市と思われる)。この時だけ、いつものバカ声から急にドスの利いた低音で激昂する(その後ちょっとしたきっかけで、すぐ元に戻る)。
- 爺に怒る時、何故か牛やライオンなど動物の鳴き声や「六甲おろし」の歌を発したりする。
- 殿に仕える腰元の歴代総数は、2004年11月現在で332人に達している。
[編集] ソフト化
[編集] ビデオ
- 1998年6月と12月にユニバーサルミュージックから発売。東八郎が家老だった時代から某メンバー出演時代までを収録している。
[編集] DVD
- 2006年1月27日に、ユニバーサルピクチャーズジャパンから発売。3枚組のDVD-BOXで、それぞれ「春」「秋」「冬」と命名されている。また、ユニバーサルピクチャーズ欧州法人の幹部が試作版を見て大うけになり、ヨーロッパでも販売される予定である。
[編集] ゲーム
- 1985年6月21日ファミコン用ソフトハイパーオリンピックバカ殿様Ver
- 2002年12月6日に、TDKコアよりゲームボーイアドバンス用ソフト「志村けんのバカ殿様 爆笑天下統一ゲーム」が発売されている。モノポリータイプのボードゲームで、マスに城を建てて対戦相手から通行料を徴収し、4人中一番の蓄財を目指すと言うものになっている。
[編集] 出演者
[編集] レギュラー
太字は現在も出演中
- 志村けんのすけ
- 通称「バカ殿」。名前通りバカな殿。あまりのバカぶりに爺から「こんなバカは珍しい…珍バカだ!!」と評されるほどである。服は殿様らしいが顔は真っ白で口紅を塗っており、ちょんまげをしている。羽織る羽織の色は、初期は銀色系のものであったが、「全員集合」末期の頃から朱色系のものになった。下ネタとセクハラと悪戯が大好きで、城内にもからくりをたくさんしかけている。こんな殿様でも家来は沢山おり、誰もが忠臣ばかり。父親である先代の殿が名君だったためであり、いつも家老からはそのことを絡めて小言を言われている。親藩であり(その証拠に「丸に三つ葵」の徳川家の家紋が城内に見られる)、モデルは徳川家重である。幼名は「竹千代」。志村城の城主、志村藩12万石の領主(初期は50万石)。奥方はいないらしい。
- バカ殿の幼少時代から志村藩に仕える家老。名君であった父親とは大違いのバカ殿を嘆いており(仏壇の先代の位牌に向かって「ご先代様・・・」と嘆くシーンもある)、バカ殿に振り回されることが多い。
- 側用人
- 放映開始から出演していたが、2000年9月に不祥事を起こし一時降板。2001年10月の放送で復帰したが、同年12月再び不祥事を起こし逮捕されて以降は再び降板になった。逮捕前に田代が出演し収録した2002年1月放送分のバカ殿は放映されたものの、不自然なエアホッケーの点数表を後付けして隠したり、極力写っていない画像を使用するなどの編集により、着ていた裃の一部や顎の付近等を除いて田代の顔が写ることはなかった。ちなみにDVD発売記念イベントで志村は「最近見ない家来知ってるか?もしかしてホリエモンと一緒になったか?」と、田代を連想させるトークをしていた。このトークの部分は芸能ニュースなどのテレビ番組上で放送される事はなかった。これらの現状から、「田代まさし」は始めから存在していないという扱いに事実上なっているものと思われる。過去のバカ殿のおもしろい部分にはすべて田代が出演していたことから、「本当に面白いDVDが売り出せない」と志村がぼやいたことがある。今後、完全版が発売されるかどうかは不明。
- 田代の代役として1回のみ出演。
-
- ダチョウ倶楽部
- 2002年以降、レギュラー出演。
- 殿の少年時代の幼なじみで、隣国の姫。通称バカ姫、近年は毎回レギュラーのようにででいるが、何故か形はゲスト扱いになっている。バカ殿以上のバカである。
[編集] 主なゲスト
- ビートたけし(たけし城の殿様)
- 所ジョージ(「志村けんの唄」を披露したが実際はいかりや長介をこき下ろす歌だった)
- 加藤茶
- 高木ブー
- 中山秀征
- ダウンタウン
- ナインティナイン(農民)
- 渡辺徹(渡辺城の若様)
- ロンドンブーツ1号2号
- ボブ・サップ
- 波田陽区
- 氷川きよし
- 吉幾三(津軽の殿様、祈祷師)
- 久本雅美(花魁、殿の見合い相手)
- 内藤剛志(町人)
- 柄本明(陰陽師、屋台の客、その他)
- くりぃむしちゅー
- モーニング娘。(辻希美・加護亜依・後藤真希・高橋愛。辻・加護はのちにミニモニ。・Wとして登場)
- ミニモニ。
- W (ダブルユー)
- 松浦亜弥
- アンガールズ
- アンタッチャブル
- 三瓶
- ヒロシ
- パパイヤ鈴木
- テツandトモ
- はなわ
- プリンセス天功
- 北島三郎
- ネプチューン
- 酒井若菜
- 菊川怜(雪女)
- ボビー・オロゴン
- 井上和香(町民の娘・隣国の姫)
- 朝青龍明徳
- 栃東大裕
- ココリコ
- 藤山直美(バカ殿の妹と名乗って出演)
- 研ナオコ(ナオコ姫)
- 「隣国の姫」。独特の言い回しで生卵(赤蝮や朝鮮人参、スッポンの生き血などの場合あり)を勧め、バカ殿に精力を付けさせて「夜のお楽しみ」を狙う。バカ殿が最も苦手な女性。
- 元木大介
- 阿部慎之助
- 木村佳乃
- 飯島愛
- 安室奈美恵
- 次長課長
他多数
[編集] スタッフ
- 構成:志村康徳、松岡孝、朝長浩之ほか
- 音楽:たかしまあきひこ
- 技術:岩沢忠夫
- カメラ:藤江雅和
- 音声:松本政利
- 照明:野崎政克
- 編集:轟貞治(D-Craft)
- MA:大塚大
- 音響効果:戸辺豊
- 美術制作:北林福夫
- デザイン:根本研二
- 美術進行:山根安雄
- 技術協力:ニユーテレス、IMAGICA
- 制作協力:エスカンパニー、エクシーズ、ゼブラカンパニー、テレビックアート
- 演出:森正行/戸上浩、小倉肇(エクシーズ)
- プロデューサー:井澤健
- 企画・制作:イザワオフィス
[編集] 補足
- かつて田代まさしがフジテレビで放送されていた平日夕方のバラエティー番組(タイトル不明)のコントコーナーでバカ姫を演じていた事がある。
またSMAP×SMAPで稲垣吾郎がバカ殿のパクリで『殿リーマン』というキャラクターを演じた。中居正広も中井正広のブラックバラエティでバカ殿のマネをした事がある。
- 一度見たら忘れられない真っ白な顔は、志村けん氏自身が「殿様と言う者は男らしいから眉は太く、高貴だから白粉をして、上品だからおちょぼ口だったのだが、行き過ぎた結果があぁなった」と自伝的エッセイ・変なおじさんで述べている。
- 水戸泉と闘牙の両力士がゲスト出演するシーンに、水戸泉がケガ・闘牙が幕下落ちと言う事で、急遽栃東が自身の幕内初優勝の報告も兼ねて、彼らの代役を務めた事がある。この時、栃東は異様に緊張していた。後でゲスト出演した朝青龍のリラックスムードとは正反対で、実に慇懃だった。
- 田代まさしが降板しダチョウ倶楽部が出演し始めた2002年以降、「コントの質が落ちた」と批評されることがある。田代と息のあった芝居を披露していた時期、志村は「田代くんがコントの中で俺を思いっきり叩けるようになるまで数年かかった。最初は遠慮があったから」と語っている。上島の逆ギレギャグもあるものの、基本的に芸能界の序列をきっちり守るダチョウ倶楽部らしさが足かせと見る向きもある。そのため、「バカ殿様」の特番が放送される度に2ちゃんねるの実況掲示板などでは「田代マダー?」「田代を出せ!」「田代をカットするな!」などと復帰を待望する声が未だに絶えない。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- フジテレビ
- 志村けんのバカ殿様がDVD化!(ファミ通.com)
- UNIVERSAL PICTURES 志村けんのバカ殿様DVD-BOX
- 志村けんのバカ殿様(ファンサイト)
- 超級バラエティ研究所 - 番組に登場するキャラクターのデータベース