氏爵
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氏爵(うじのしゃく)とは、平安時代より、毎年正月6日に行われる叙位に際し、王氏、源氏、平氏、藤原氏、橘氏などの正六位上の者より、毎年1人ずつ従五位下に叙すことをいう。従五位下に叙せられることを叙爵ということから、各氏に対する恒例人事として氏爵と呼んだ。別称として氏挙(うじのきょ)ともいう。
氏爵は蔭位の制同様、有力氏族への特典であり、氏長者の推挙により、除目が行われた。各氏とも正六位上の者は常に複数いるのが通常であり、新たな官途を得んとする者は、氏長者に対して申文という申請書を提出、氏長者がそのうちから適任者を選考したとされる。そもそも、平安時代において氏長者の権限は低下傾向にあり、氏爵の制度に基づき同氏族への人事への影響力を有したことは、氏長者の権力が再強化されることとなった。