バスク語
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バスク語 Euskara |
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話される国 | フランス、スペイン |
地域 | ヨーロッパ |
話者数 | 50から100万人 |
順位 | 100位以下 |
言語系統 | 孤立した言語 バスク語 |
公的地位 | |
公用語 | -- |
統制機関 | -- |
言語コード | |
ISO 639-1 | eu |
ISO 639-2 | baq (B) / eus (T) |
ISO/DIS 639-3 | -- |
SIL |
バスク語は、スペインとフランスにまたがるピレネー山脈西部のバスク地方に住むバスク人によって話されている言語の名称である。ほとんどはバスク語の他にスペイン語(公用者の約80%とされている)またはフランス語(同じく公用者の約20%)を話すバイリンガルである。
目次 |
[編集] 言語学上の位置付け
周りをラテン語に起源を持つロマンス語の言語に囲まれているにもかかわらず、バスク語はスペイン語やフランス語はおろか、世界のどの言語とも異なる極めて独特な言語である。
語源が注目される単語として「ナイフ←物を切る石」「天井←穴の上」等がある。イベリア半島では正体不明の非印欧語族の痕跡も見つかっている事から、そのため、インド・ヨーロッパ語族言語を話す民族がヨーロッパに入ってくる以前から話されていた、氷河時代の先住民族の言語ではとも考えられている。
日本語との親族関係も指摘された事があるが、さすがに支持されてはいない。後述の能格の存在から、カルトヴェリ語族に分類されることもあったが、現在は比較言語学上、孤立した言語に分類され、孤立した言語としては世界一有名。
余談であるが、その独特さから習得が困難であるとされ、「悪魔でさえバスク語を覚える罰をあたえられると神に許しを乞う」とも言われる。
[編集] 文法的特徴
文法的特徴として能格の存在があげられる。能格構文を構成し、その他の多くの言語が主格構文であるのに対応している。能格構文は動詞の種類によって主語が主格ではなく能格の格指標を持つ形をとり、この場合主格構文では通常対格をとる語が絶対格とよばれる格指標を持たない形をとる。バスク語のほかにグルジア語なども能格構文の言語として知られる。
[編集] 例文
能格の例:Mendiak mendia behar ez du, baina gizonak gizona bai. 山は山を求めないが、人は人を求める。(ことわざ)
mendiak, gizonakのように-kのついたものが能格であり、つかないものが絶対格である。
[編集] 関連記事
[編集] 関連資料
- EITB ここでバスク語の放送を聴くことができる。