仁賢天皇
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仁賢天皇(にんけんてんのう、允恭天皇38年(449年) - 仁賢天皇11年8月8日(498年9月9日))は、第24代の天皇(在位:仁賢天皇元年(488年)1月5日 - 同11年(498年)8月8日)。億計天皇(おけのすめらみこと)・大石尊(おおしのみこと)、意祁命・意富祁王(おおけのみこ)。諱は大脚(おおし)または大為(おおす)、字は嶋郎(しまのいらつこ)。
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[編集] 系譜
履中天皇の孫、市辺押磐皇子(いちのへのおしはのみこ)の子。
母は荑媛(はえひめ、葛城蟻臣の女)。顕宗天皇の同母兄。
[編集] 皇居
都は石上広高宮(いそのかみのひろたかのみや。奈良県天理市石上町、あるいは同市嘉幡か)。
[編集] 略歴
安康天皇3年(456年)父が雄略天皇に殺されると、弟の弘計王(後の顕宗天皇)と共に逃亡して身を隠した。丹波国与謝郡(京都府丹後半島東半)に行き、のちに播磨国明石に住む。兄弟共に名を変えて丹波小子(たにわのわらわ)と称し、縮見屯倉首(しじみのみやけのおびと)に使役され、長い間牛馬の飼育に携わった。清寧天皇2年(481年)に弟王が宴の席で身分を明かす。子がなかった清寧天皇はこれを喜んで迎えを遣わし、翌年(482年)2王を宮中に迎え入れる(貴種流離譚)。4月に億計王が皇太子となった。
同5年(484年)に清寧が崩じた後、皇位(王位)を弟と譲り合い、その間は飯豊青皇女が執政した。翌年弟が先に即位した(顕宗天皇)が、わずか3年で崩御。仁賢天皇元年(488年)正月に石上広高宮にて即位した。3年(490年)2月に石上部(いそのかみべ)舎人を、5年(492年)に佐伯造を置いた。また、6年(493年)9月に高麗(こま)に日鷹吉士(ひたかのきし)を遣わし、皮の工匠など手工業者を招いたとされる。この時代は国中に事無く、人民から「天下は仁に帰し、民はその生業に安んじている」と評されたという。
11年(498年)8月に崩御。『水鏡』に50歳、『帝王編年記』に51歳。
[編集] 陵墓・霊廟
埴生坂本陵(はにゅうのさかもとのみささぎ)に葬られた。
同陵は大阪府藤井寺市青山3丁目の野中ボケ山古墳(前方後円墳・全長120m)に比定される。
[編集] 関連項目
歴代天皇一覧 | |||||||||
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1 神武 | 2 綏靖 | 3 安寧 | 4 懿徳 | 5 孝昭 | 6 孝安 | 7 孝霊 | 8 孝元 | 9 開化 | 10 崇神 |
11 垂仁 | 12 景行 | 13 成務 | 14 仲哀 | 15 応神 | 16 仁徳 | 17 履中 | 18 反正 | 19 允恭 | 20 安康 |
21 雄略 | 22 清寧 | 23 顕宗 | 24 仁賢 | 25 武烈 | 26 継体 | 27 安閑 | 28 宣化 | 29 欽明 | 30 敏達 |
31 用明 | 32 崇峻 | 33 推古 | 34 舒明 | 35 皇極 | 36 孝徳 | 37 斉明 | 38 天智 | 39 弘文 | 40 天武 |
41 持統 | 42 文武 | 43 元明 | 44 元正 | 45 聖武 | 46 孝謙 | 47 淳仁 | 48 称徳 | 49 光仁 | 50 桓武 |
51 平城 | 52 嵯峨 | 53 淳和 | 54 仁明 | 55 文徳 | 56 清和 | 57 陽成 | 58 光孝 | 59 宇多 | 60 醍醐 |
61 朱雀 | 62 村上 | 63 冷泉 | 64 円融 | 65 花山 | 66 一条 | 67 三条 | 68 後一条 | 69 後朱雀 | 70 後冷泉 |
71 後三条 | 72 白河 | 73 堀河 | 74 鳥羽 | 75 崇徳 | 76 近衛 | 77 後白河 | 78 二条 | 79 六条 | 80 高倉 |
81 安徳 | 82 後鳥羽 | 83 土御門 | 84 順徳 | 85 仲恭 | 86 後堀河 | 87 四条 | 88 後嵯峨 | 89 後深草 | 90 亀山 |
91 後宇多 | 92 伏見 | 93 後伏見 | 94 後二条 | 95 花園 | 96 後醍醐 | 97 後村上 | 98 長慶 | 99 後亀山 | 100 後小松 |
北朝 | 1 光厳 | 2 光明 | 3 崇光 | 4 後光厳 | 5 後円融 | 6 後小松 | |||
101 称光 | 102 後花園 | 103 後土御門 | 104 後柏原 | 105 後奈良 | 106 正親町 | 107 後陽成 | 108 後水尾 | 109 明正 | 110 後光明 |
111 後西 | 112 霊元 | 113 東山 | 114 中御門 | 115 桜町 | 116 桃園 | 117 後桜町 | 118 後桃園 | 119 光格 | 120 仁孝 |
121 孝明 | 122 明治 | 123 大正 | 124 昭和 | 125 今上 | ※赤字は女性天皇 |