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隼鷹(じゅんよう)は、日本海軍の航空母艦。飛鷹型航空母艦の2番艦。
[編集] 艦歴
隼鷹は、飛鷹同様有事改造を前提に建造中の日本郵船の豪華客船「橿原丸」(かしはらまる)を空母へ改装したものである。ミッドウェー海戦後で4隻の主力空母(赤城、加賀、蒼龍、飛龍)を失って手薄になった機動部隊にあって、速力は正規空母の30kt以上に比較して遅く、鋼板も薄く防御能力でも見劣りしたが、蒼龍なみの航空機搭載量を持つ飛鷹と隼鷹は貴重な航空戦力となった。竣工後はアリューシャン列島への攻撃、南太平洋海戦、マリアナ沖海戦などに参加した。昭和19年12月9日、マニラへの輸送任務から佐世保への帰投中、女島付近で米潜水艦「シーデビル」及び「レッドフィッシュ」による雷撃で魚雷2本が艦首および右舷機械室に命中、死者19名、浸水5000トンの被害を受けたものの、片舷航行が可能だったため13ノットの速力でかろうじて佐世保に帰投した。その損傷のため佐世保で修理・繋留されたまま終戦を迎えた。終戦時、機関部の修理が完全に行われていなかったため外洋航行ができず、引き揚げ任務の特別輸送艦に指定されることなく解体処分された。商船への復帰はならなかったが、太平洋戦争を生き延びた商船改造艦艇の中で最大級の船舶であった。
[編集] 性能
- 基準排水量 24,140t
- 出力 56,250馬力
- 機関 三菱ツェリー式オールギヤードタービン2基2軸
- 全長・幅 215.3×26.7(m)
- 速力 25.68kt
- 飛行甲板 210.3×27.3(m)
- 航続距離 18ktで10,150浬
- 武装 12.7cm連装高角砲6基・25mm三連装機銃19基・25mm連装機銃2基・25mm単装機銃30基・12cm28連装墳進砲6基
- 艦載機 常用48機 補用5機
- 定員 1,187人
- 燃料 重油4,118t
[編集] 同型艦
[編集] 関連項目