JR東海311系電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
JR東海311系電車 | |
---|---|
311系電車 | |
起動加速度 | 2.0km/h/s |
営業最高速度 | 120km/h |
設計最高速度 | 120km/h |
減速度 | |
編成定員 | 314人(立)+236人(席)=550人 |
全長 | 20000(20100)mm |
全幅 | 2966mm |
全高 | 3970mm |
編成重量 | 122.7t |
軌間 | 1067mm |
電気方式 | 直流1500V |
駆動装置 | 中実軸平行カルダン方式(歯車比5.19) |
編成出力 | 120kW×8=960kW |
制御装置 | 界磁添加励磁制御 |
ブレーキ方式 | 電気指令式ブレーキ |
保安装置 | ATS-ST形 |
備考 |
311系電車(311けいでんしゃ)は、東海旅客鉄道(JR東海)の近郊形電車。
目次 |
[編集] 概要
東海道本線豊橋駅~岐阜駅間で競合する名古屋鉄道名古屋本線に対抗するため、また東海道本線豊橋駅~大垣駅間の新快速用として、世界デザイン博覧会の開催、並びに金山総合駅の開業に合わせて、1989年(平成元年)7月9日に営業運転を開始した。
製造は日本車輌製造、日立製作所、近畿車輛および川崎重工業が担当した。 車体およびシステムは211系電車5000番台に準じているが、若干丸みのあるデザインである。
[編集] 仕様
主要性能は右上の表を参照のこと。
- 車体:軽量ステンレス製、片側3扉
- 台車:空気バネ式軽量ボルスタレス台車(電動車C-DT56形、付随車C-TR241形。ヨーダンパ付)
- 帯色:コーポレートカラーがベースになっており、前面はアイボリー色地FRPにオレンジ色の帯で、側面にも窓下および幕板にオレンジ色の帯を配している。前面および側面窓下の帯は白色の縁取りがある。
- 側窓:1段下降式2連窓(中央部ドア付近の8ヶ所以外は固定化済み)
- 集電装置:C-PS24A形菱形パンタグラフ(狭小限界トンネル対応)、C-PS27A形シングルアーム式パンタグラフ
- 主電動機:C-MT61形内扇式直巻直流電動機
- 制御方式:直並列組合せ式抵抗制御、界磁添加励磁制御
- ブレーキ:回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重装置付き)、抑速回生ブレーキ、増圧ブレーキ(空転検知ブレーキ・耐雪ブレーキ準備工事)
- シート配置:転換クロスシート(車端部および扉脇は固定式、シートピッチ:910mm、扉間6列)
- その他設備:和式トイレ、カード式公衆電話(無線式、近郊形電車では初)、LED式車内案内表示装置(時計と共に車端部に設置)、ドアチャイム(一部編成)
本系列は1989年から翌年にかけて製造され、形態的には3種に分かれる。1989年後期製の第6編成からは、先頭部の列車番号表示器が省略され、1990年製の2編成(第14,15編成)は、車外放送用のスピーカーの取付け位置が車体吹寄せ部から屋根上の冷房装置カバー内に移り、カバー側面のスリット形状が変更された。
冷房装置は当初、全車が集約分散式C-AU711D(18000kcal/h)×2基を搭載していたが、先頭車については高速運転を行なうことから能力の不足が目立つようになったため、より能力の大きいC-AU713Dに交換された。工事は1996年度までに完了している。
[編集] 編成
編成向きは、左側が豊橋方である。
- クモハ311(Mc) - モハ310(M') - サハ311(T) - クハ310(Tc')
2006年現在、4両編成15本(60両、G1~G15編成)が大垣車両区に配置されている。
[編集] 運用
登場当初から東海道本線の新快速を中心とした運用で使用されていたが、1999年に後継車種の313系電車が投入されると、主として浜松駅~岐阜駅間の普通列車が中心となり、快速列車としての運用は朝夕のみとなった。また、この改正から1日2往復ではあるが静岡駅にも乗り入れるようになった。さらに2006年に313系の増備車両として5000番台が大量投入され、同年10月1日のダイヤ改正以降、終日普通列車運用にほぼ限定された形となっている。なお、静岡乗り入れは早朝と夜間の2往復になっている。
また、313系電車や211系電車との併結も行われる。一部は中央本線でも使用されており、期間によっては「ナイスホリデー木曽路」として塩尻駅まで運転される。
一時期、臨時列車扱いで西日本旅客鉄道(JR西日本)エリアの北陸本線(琵琶湖線)長浜駅まで乗り入れたこともあった。